READ:シーダモを振り返りながら次のゲームを考える
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稲村です。「シーダモの港」リーグ戦など、ご一緒させていただいた皆様、ありがとうございました。前回の記事で紹介した「16エンジン構築」について、ありがたいことに多方面から反響をいただきました。カルドセプト部のリーグ戦を終えたところで「エンジンはかかったのか?」「リンカネはどうだったのか?」といった声もお見受けしています。この点について、現時点での私の考えを少しまとめてみようと思います。
まず16エンジン構築を総括するにあたっては、ブック・プレイングの中でどの程度、相手に対する干渉・コントロールを行うか?という点を整理しておく必要があります。なぜなら、16エンジン構築は「一定以上のコントロール要素が機能することを前提にした上で、ブック構築とプレイング構築を統合し、一気にリーチをかけて達成に向かう方法論」だからです。
私の基本的な考え方としては、シーダモに限らず、カルドセプトビギンズ全般を通じて、相手の土地に対する侵略・コントロール要素をブックに「必ず」一定以上用意することにしています。
今作は周回ボーナスの増加・連鎖係数のバランス変更などによりゲーム全体の達成ラウンドが前倒しされており、ダイス・ドロー等が噛み合うことで早期に加速するプレイヤーはそれなりに高い頻度で現れます。このような盤面状況に対して「待った」をかけられる構築の方が、相対的には、対戦中の試行回数を増やし、技術介入度の高いゲームを実現しやすいと考えています(またそのようなゲームの方が「面白い」と、私個人としては考えます)。
もちろん、侵略や通行料収入などに依存しない自走達成を実現するための技術・アプローチというものも存在します。「走り合うゲーム」と「達成を遅らせるゲーム」のどちらがより技術介入度が高いか?という単純化された議論そのものは全くナンセンスである、という前提を踏まえた上で
◎11~15Rで安定して自走達成できるかどうかは、ダイス・ドローにおける運に左右される部分が大きい(カードを引く順番・タイミングや、ダイスの出目によって著しいブレが生じる)
◎自走達成速度が相対的に速い本を組むことはできるが、そのトップスピードが出るかどうかはダイス・ドロー・ゲーム全体の干渉量・LV4以上の通行料収入の有無などに大きく左右され、【少ない試行回数による上振れ】を期待する必要がある
といった点を、私としては重要視しています。CPU戦をしていると「特に高いプレイング技術を行使しているように見えないCPUが、12R程度で目標魔力に到達する」ことが度々見られます。対人戦においては、ブックの構築段階で一定の設計意図が示されているわけですから、CPUと同一視することは当然できませんが、ゲーム画面上で起きている現象だけを抽出すると、(少なくとも一般的な視点からは)区別しづらい現象が起きているように見えることもあります。
もちろん自分が用意したコントロール手段がゲーム中に機能するかどうかは、ダイスやドロー、ブック相性によっても大きく左右されます。この点については、私の考えとしては「運に左右されるゲームも、相性に左右されるゲームも発生しうるが、どちらかといえば、相性に左右されるゲームを優先的に許容する」という姿勢をとっています。そもそもカルドセプトビギンズにおいては、絶対的な土地陥落手段も防衛手段も存在せず、相性ゲームになりやすい面があるという構造を受け止める必要があります。
またコントロール手段の採用選択においては、「特定のカードを手札に揃えた状態で、特定のダイス目を出して相手の土地を踏む必要がある」ものだけに寄せすぎるのではなく、スペル(任意の対象を選びやすく、撃った時点で効果を発揮しやすい)、特にセットで要求されるカードが少ない手段(イビルブラスト、シニリティ等)をなるべく選ぶように意識しています。
また私としては、カルドセプト部における対戦環境において、次のような状況が生じていることも興味深く見ています。
①プレイヤー間の勝率にはある程度の開きがみられる(明らかな事実)
②セフト以外の干渉手段(特に土地に対するスペル要素)を殆ど積んでいないブックが比較的多いように見える(観察に基づく推察)
①について少し補足しておきます。2026年10月7日時点で、カルドセプト部において累計50対戦以上を行い、勝率35%以上を記録しているプレイヤーは5人います(テレコムさん、ましろさん、キセノンさん、パメラさん、かめさん)。4人対戦において、勝率25%を基準とした時に、35%というのは「きわめて突出した高さ」であると私は考えています(単純比較はできませんが、2人対戦ゲームにおける勝率70%と同程度の水準といえます)。過去作(DS版、3DS版、リボルトなど)においても、オープンコミュニティにおいて(短期的に見ても)これだけ高い数字を記録していたプレイヤーは殆どいませんので、結果だけを見ると、一部のプレイヤーが「勝ちまくっている」ということは明らかです。
さて、②が事実である(カルドセプト部の対戦環境において、干渉要素の少ないゲームが多い)と仮定するなら「ストレートの自走達成を目指す本」が並んだ状況であっても、運ではなく技術による勝率差が形成されているということがはっきり言える可能性があります。ただし、この点については、私は「総魔力を効率的に伸ばす技術」ではなく「特定の環境下において、相手の干渉を受け流す/ちょうど受けきる技術」が強く作用している可能性があると考えています。ある対戦環境において特有にみられるゲーム力学を自分にとって有利に働かせることができるかどうかが、プレイヤー勝率に大きく影響しているのではないか、ということです。
例えば「相手のLV1土地を踏んだときに、その瞬間守れる防御アイテムを1枚以上持っていたら侵略しない」「カウンターシールドを持っていたら侵略しない」「必ず侵略成功することが事前に分かるときは侵略する」といった行動選択が多くとられるゲームにおいては、アイテムを常時手札に保持しておくことの価値が高くなると考えられます。
ネガティブ呪いがそもそも環境に少ないのであれば、メタルフォームやピース・バイタリティをLV1土地に撃って維持できることも多くなります。
あるいは、アレスを配置する・アルマゲドンを撃ってクリーチャーのHPを削る等によって、ふだんは干渉することの少ないプレイヤーの行動選択に働きかけようとするといった手法も考えられます。
勝率35%あるいは40%以上といった勝率トップ帯のプレイヤーは、プレイング構築やリアルタイム判断の精度の高さに加えて、このあたりの環境力学を巧みに利用して盤面優位を築いていると、私は考えています。勝率ですべてを語ることはできませんが、「実戦で勝っている」=「特定の環境において生じやすいゲーム構造を汲んで優位を築いている」ことについて、「めちゃくちゃ凄い!」と敬意を表さずにはいられません。またその一方で、対戦環境における行動力学やプレイヤーの構築・プレイングが大きく変わるなら、全く別のゲームが頻繁に成立するようになり、現況とはまた違う勝率分布が成立しうるとも考えています。
ちなみに私自身は、相手がカウンターシールドを抱えていようが、援護用のコロッサスとダークマスターを抱えていようが、自分にとって総合的に必要と判断するなら、間に合わなくなる前に殴ります。
相手にとっても自分にとっても色の合っていない土地であったとしても、想像される最終局面から逆算して、自分や相手にとって重要な領地となると判断した場合には、やはり確定で奪えなかったとしても殴ります。
バイタリティやメタルフォームがあってもなくても、あるいは盤面にHP30のクリーチャーがジャッカロープしかいなかったとしても、必要と判断すれば、なるべくゲーム全体における機会損失にならないように、シニリティやスケアストーム・イビルブラスト等を序盤から行使します。
なお私は遅くともおおむね3Rまでには、自分と対戦相手の手札状況などから、各プレイヤーのブック内容をある程度推測し、最終局面においてどのようなゲームになりやすいか・その途中経過においてどういう現象が発生しやすいかなどを想像して、誰にどのような干渉を向けるかといったプレイング指針を組み立てています。
瞬間的には自分にとって損になる行動であっても、ギフトと周回ボーナスで挽回しやすい(ので、カード1枚+100G程度の損失は問題になりにくい)ことは、今作の面白さのひとつだと考えています。
さて、前段が長くなりましたが、シーダモにおけるパーミッションとリンカネーションの話に移ります。
まず、リンカネーション採用の有無にかかわらず、ダイス・ドローの妙によって誰かがパーミッションをタイミング良く行使して、空き土地も取れて早期加速できるといったゲームは出現します。リンカネーションを採用している理由の一つは「プレイの再現性を高めること」であり、リンカネーションを仮にゲーム中3回使ったとしても、3回分のコスト210Gが達成を半周~1周分遅らせるというケースは殆どありません。もちろんリンカネーションの代わりにマナを3回撃っていたら資産の伸びには大きく差が出ますが、このような場合はやはりドロー順によって達成タイミングが左右されることが多くなります。したがって、シーダモにおいて「結果として速度がより出せるゲーム」はあっても、リンカネーションを2枚以上採用した構築よりも、安定性・確実性をもって速度を出せる方法論はほぼ存在しないと考えています。
また、20Rを超えるようなゲームでは、リンカネーションの採用の有無が明らかにパーミッションの行使回数に影響し、周回数に差が出るようになります。
なおリンカネーションが各人のプレイフィールに馴染むかどうかは、別の話として考えています。自分にとって使いやすいブックを使った方が優れたパフォーマンスを発揮しやすく、勝ちやすい局面があるということ自体に異論はありません。
もう一つ、リンカネーションの採用において重要な点は「ブックに干渉・コントロール要素をどの程度用意できるか」ということです。
全員がパーミッションを3~4枚入れている状況においては、ブック内のカード枠が固定化されている分、ブック・プレイングによる差が小さくなりやすいということに自覚的である必要があります。
前段で述べたように、私自身は、どんなゲーム・どんなマップにおいても土地に対する干渉・コントロール手段を必ず用意するようにしています。しかし、一般的なブック比率(15:5:20程度、ギフト4+αのドロー手段、リンカネーション不採用)の中でパーミッションを4枚入れると、ブックに干渉カードを入れる余地がほぼ全くありません。この点、リンカネーションを2~3枚入れると、クリーチャー・アイテムの枚数を圧縮してスペル枚数を増やし、スペルによる干渉手段(自由枠と言ってもよい)を複数用意することができるようになります。
したがって、シーダモにおいて〈運良く先行した相手を抑制できるような干渉・コントロール手段を用意し、ある程度安定的に行使したい〉という前提に立つなら、選択肢はおおむね次の2つに帰結すると考えています。
①パーミッションを採用した上で、リンカネーションを2枚以上入れて、クリーチャー・アイテムの枚数を圧縮する
②パーミッションを採用せずに、その分、別の要素をブックに入れる
なお「パーミッションを採用した上で、相手に対する土地干渉手段はスペルではなく、クリーチャーによる侵略に大きく委ねる」という選択肢もないわけではありません。ただこれについては「ブックを1周させることが難しい(必要なクリーチャーやアイテムを適切なタイミングで用意しづらい)」「ダイス目によって効果を発揮できるかどうかが大きく分かれる」「クリーチャー・属性間の相性に著しく左右される」などが明確な課題といえるため、かなり難しいと私は考えています(ただし、対戦環境などの条件が変われば有力な選択肢となる可能性はあります)。
私自身は①のアプローチをとっていましたが、GPシーダモで優勝された機械科ボイラーズさんの構築や、大阪のオフ対戦会で優勝されたまそっぷさんの構築は、まさに②の方法論の一つと考えられます。
さて、各人のプレイフィールを除いて考えたとしても、リンカネーションを採用した構築が、特定の環境において適合的ではない可能性があるという点についても考えておきます。
例えば、次のようなゲーム環境においては、リンカネーションを採用する構築による優位を取りにくいと考えられます。
◎干渉手段の総量が少ないゲーム(1人のコントロールでは追いつかない。ゲーム中の生存戦略としても、走り合い選択が選ばれやすく、少ない試行回数の中で伸びたプレイヤーがそのまま勝ちきるゲームになりやすい)
◎高LV土地を早期に作ることのリスクが少ないゲーム(高LV土地を長時間露出していても落とされないので、ギフトの効率を度外視すれば、増資した分だけ通行料期待値が上がる。16エンジン構築のような「タイミングを見て一気に増資リーチをかける」プレイングの優位が生まれにくい)
◎15R程度で終了するゲーム(ダイス・ドローあるいは他プレイヤーの行動傾向を含む、運の要素がより支配的になりやすい。またその結果として、リンカネーションの有無による周回数に差が生じにくい)
◎アイテムを保持することが、相手からの侵略を抑制する手法として機能するゲーム(アイテムを現在手札に持っているかどうかによって、踏まれたときに殴られるかどうかが変わりやすいのであれば、リンカネーションを撃つことがリスクになりやすい)
これらの条件と、私自身のカルドセプト部における実戦感覚を照らし合わせるのであれば「環境適合的ではないがゆえに、エンジンはかからないことが多かった」といえるかもしれません。
いずれにしても、独立したテーマとして「リンカネーションは強いのか弱いのか」「パーミッションは必要なのか必要ではないのか」といった議論をすることはできません。あらゆるカードについて、どのような条件が揃ったときに、あるいはプレイヤーがどのようなゲーム展開を指向するときにどのように機能するのか?という視点に立って考える必要があります。
16エンジン構築のアプローチは、私自身にとっては得られるものが非常に多く、最高に面白かったです。記録には残っていませんが、「こんな面白いゲームができることはまず滅多にない!」と4人全員が思えるような内容のゲームも体験することができました。私が作ったブックについてもいくつか紹介しておきます。
援護+コロッサスで積極的に侵略をしかけながらブックを高速回転させ、クイックサンド・シニリティで幅広い達成系を見るブック。好みでシニリティ4枚にしてももちろんOKです。
イビルブラスト・スケアストーム・シニリティで盤面を圧迫しながら、リバイアサンによる侵略を通じて達成プランを組み立てるブック。干渉スペルに枚数を割いている分、思いきってウォーターシフトを不採用としていますが、さすがにやりすぎかもしれません(笑)。
かよさんのブック「侵掠すること火の如く」に感銘を受けて作ったブック。とはいえ、元の本よりはだいぶディフェンシブな作りになっています。併せて、かよさんのブックについても紹介させていただきます。
「プレイング上の設計思想が強く示されているブック」が好きです。
結果的にスペルコントロール型の厨ブックを使うことが多い私ですが、かよさんのこのブックは見た瞬間に「面白い!」と思いました。配置することによって盤面全体の力学やプレイヤー行動に作用する可能性を見られるクリーチャーが今作には少ない中で、アレスという「カルドセプトビギンズのスーパーアイドル」を採用している点は、私にはなかった視点で、参照元とされているPAMELAさんの構築も含めて、すばらしいアプローチだと感じました。テレキネシス・アルマゲドン・シニリティ・スケアストームといった多種多様なコントロールスペルを1枚ずつ採用することで、終盤における逆転の一手を見つつ、ゲーム全体におけるプレイング負荷を(自分自身を含む)全員に課している点も面白い。実戦での動きを拝見できているわけではありませんが、領地コストの不要なクリーチャーが7体しかいないという点を、シーダモのマップ特性(占い館が2カ所あり、火土地の数が1個多い)やブック全体の構成によって補完し、成立させているというところを非常に興味深く見ています。
「稲村エンジン」(makosuさんによる命名らしい、毎度おおきに)はフリー素材です。今後も実体のよくわからない概念あるいは手法のひとつとして拡張されていくことを、私としては歓迎しています。
ちなみにこのようなコントロール型のブックは、序中盤でLV3土地を量産されて踏まされたり、集中的に叩かれて走り合いのゲームに持ち込まれたり、ギフトをセフトされたりすると途端に苦しくなります。そういった「締め出しを食らう」負け方をすると、「まいりました!」という気持ちになってとても嬉しくなりますね。
リーグ戦で対戦させていただいた中でも、印象的なブック・プレイングに出会うことができました。個人的には特に、KKさんのブック・プレイングがとても面白く、印象に残っています。
「リンカネーションの使い方が難しくてよく分からない」という声を多くの方からいただきました。この点については、各人のプレイフィールについては分けて考えるとしても、ブックの扱い方に関する説明が不十分であったことを反省しています。16エンジン構築のプレイングについて、前回の記事でうまくお伝えできていなかったと思われる点について、改めて補足しておきます。
【リンカネーションを撃つタイミング・撃たないタイミング】
おおむね手札枚数が5~7枚あり、「ブックの残り枚数の中に、引きたい特定のカードがある」「1~2R以内に使用する予定のないカードしか手札にない」「手札にクリーチャー(アイテム)しかない」「ブックの残りにアイテムがないので2周目にアクセスしたい」といった条件をいずれか一つでも満たすなら、直ちに撃つ理由になります。パーミッション・足スペル・ギフト・セフト・地形変化スペルなど、そのターンで有効に使えるスペルが他にあるなら、リンカネーションよりもそれらを優先してOKです。カルドセプトビギンズ全般において、スペルの使用回数・スペルターンの質は大きく勝敗を左右すると私は考えています(ただし、ファインドの使用回数を他のスペルと同じ1回として評価することは困難です)。
ゲーム中、自分の土地を相手プレイヤーが踏んで、かつ侵略してくるかどうかはダイスによって大きく左右されます。相手の位置によっては、手札にアイテムがなくても数R土地を維持でき、その間に次のアイテムを引いてくる可能性はあります。そもそも自分が配置した全てのクリーチャーを、最初から最後まで守る必要はありません。カルドセプトビギンズのゲーム構造上、LV1土地は容易に陥落しうるので、奪われてもまた別の形で土地を確保すれば良いと考えます(なお、埋まった土地を後から奪う手段を一切持たないブックは殆どの場合「弱い」と私は考えています)。
したがって、ゲームの対戦開始から終了時まで、常に手札に防御アイテムを抱えておく必要はありません。クリーチャーについても同様です。最終盤において、自分の達成系に必要なものが用意できていればよいと考えます。盤面状況の中で、有効に機能するクリーチャー・機能しないクリーチャーといった選別判断は必要ですが、「序中盤で空き土地に止まれる可能性があるときに、クリーチャーが1~2枚手札にある」という事実だけをもって「リンカネーションしない」という判断をすると、手札にカードが滞留し、結果的に加速しづらくなるケースが多いと私は考えています。
なお、リンカネーションについては常に「撃たない理由も見つけられる」「撃った方がいいとは断言できない」という問題はあります。リンカネーションを撃った直後の手札の質が、撃つ前の手札よりも良くなるという保証が必ずあるわけではないので、撃つか撃たないかの判断は、最終的にはプレイヤー自身に委ねられます。盤面状況・他プレイヤーの位置・残りブックの枚数・場のAT要素などから「アイテムを流せない」「このクリーチャーは手札にキープしておきたい」「このカードを手札に抱え続けることで意思表示をしたい」といった判断をとり、リンカネーションを撃たない(あるいはディスカードする)という選択をすることが、結果的に正解となるケースも存在することは確かです。
【安易に増資するとエンジンが止まる】
16エンジン構築のプレイングは、一定の侵略・コントロール要素が存在するゲームを前提に、ギフトの出力を落とすことなく、パーミッションの平均出力を高めながら、最終盤で手持ち魔力を一気に土地に増資して達成リーチをかけることを基本的な動きとしています。したがって、「手持ち魔力に余裕があるから」あるいは「通行料収入が見込めるから」といった理由だけで高LV土地を作ると、仮にそれが守れる土地であっても、ギフトの出力低下を招き、最終的な達成タイミングの遅れにつながるケースが頻出します。他プレイヤーの資産状況や達成までの時間的猶予、残された勝ち筋などによって「自分も増資する」という選択が最善手となることはありますが、ブックが予め想定している挙動とは異なるサブプランであり、ドロー効率を含む、ブック全体の動きに歪みが生じやすくなることは考慮しておく必要があります。
併せて、順位を上げずに手持ち魔力を消費・調整する手段(ドレインマジックやカルドラによる致命的ダメージを回避しつつ、自分の達成に必要な手を進める・相手の手を遅らせるプレイ選択肢)についてもいくつか挙げておきます。「300Gを使って自力地変する」「LV3増資に留める」「手札のスペルを使って相手の土地に干渉する」「セフトでセフトを奪う」「手札のクリーチャーを使って侵略する」「1000G程度の手持ち魔力を持った状態でドレインマジックを受ける(ただし相手プレイヤーの選択に依存する)」などが該当するところです。
このように、リンカネーションの扱いも含めて、やや特殊なプレイングを求められる構築であることは確かです。その上で、16エンジン構築のブック・プレイングについては「特定のカードが著しく強力な効果を発揮するマップ」や「盤面上のコントロール要素が提示されやすく、タイミングを見て一気に加速することが求められるゲーム」などにおいて、幅広く(あるいは部分的に)応用できる可能性が高いと私は考えています。
クリーチャー・アイテムの枚数を圧縮することにより、多様な拡張・派生的なアプローチが見込める構築であることには違いありません。16エンジン構築をフリー素材とした上で、今後も必要に応じて使っていただけたら、私としてはとても嬉しく思います。
さて、シーダモの検討も一区切りついたところで、私としては改めて「もっと面白いゲームが実現できるのではないか」と強く思っています。まだまだ自分としても理解しきれていないことも多く、これからも「面白いゲームを実現する」という目標を持って遊んでいきたいと思います。
ここで改めて、私個人としてのゲーム指向を示しておきます。
◎主観的に「面白い」と感じられるゲームを実現したい(そのために、必ず干渉手段をブックに搭載する)
◎ゲーム内容は大切にした上で、結果としての勝敗にはあまり固執しない
◎自分が敬愛する多くのプレイヤーにとって、面白いと思ってもらえるような対戦相手でありたい
◎やるからには勝つことを目指す。ただし、対戦環境やいわゆるメタゲームに適合することを目指した戦略・戦術は極力とらない。自分自身が合理的なアプローチとして考えている構築と同席・対戦することを前提にしたブック・プレイング構築を図る。例外として、ワンデイトーナメントやオフ大会など、対人メタの要素が結果を大きく左右しうる対戦においては、その都度、対戦相手に応じたブック・プレイング構築を図る
引き続き、対戦宜しくお願い致します!