14年前のカルドセプトの確率検証記事「最大ダイス7で7歩先に高額地がある場合、フライを使用すべきか否か」を解説してみた
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元記事はこちら↓
外部リンク : blog.culdcept.netCuldBlog EV (Elder Vault) - dova : 最大ダイス7で7歩先に高額地がある場合、フライを使...2012年12月に公開されたカルドセプトの記事「最大ダイス7で7歩先に高額地がある場合、フライを使用すべきか否か」について、改めて検証してみました。
結論から言うと、この記事の計算と結論は正しいと評価できます。
しかも、記事公開から約14年経った現在、独自にモンテカルロ法によるシミュレーションを行ってみても、ほぼ同じ結果が得られました。
カルドセプトの「フライ」は、ダイスを2個振り、その合計値だけ進むスペルです。
この記事が検証しているのは、
最大ダイスが7で、7歩先に高額地がある場合、フライを使うべきなのか?
という問題です。
ここで重要なのは、「高額地を踏みたい」のではなく、「高額地を避けたい」という状況だということです。
比較しているのは次の2パターンです。
フライで2個のダイスを振り、その後、必要に応じて通常ダイスを振る。
通常ダイスを1個振り、その後フライを使う。
直感的には、
「最初に通常ダイスを振って、危険な距離を調整してからフライを使った方が安全なのでは?」
と思いやすいところです。
実際、記事を書いた本人も、Twitter上で「素ダイスからのフライの方が良い」という意見を受けて、改めて検証しています。
17=14.29%\frac{1}{7}=14.29\%
です。
一方、フライでは2~14の合計値になります。
そのため、7が出る確率は、
649=12.24%\frac{6}{49}=12.24\%
となります。
この時点では、
初手フライの方が、7を直接出してしまう確率が低い
ことが分かります。
しかし、これだけでは本当の「高額地を踏む確率」は分かりません。
例えばフライで「5」が出た場合、残り2歩なので、次の通常ダイスで2が出れば高額地を踏みます。
つまり、
「最初の1回で7が出る確率」
ではなく、
「最終的に7歩先のマスにピッタリ止まる確率」
を計算する必要があります。
ここをきちんと考慮しているのが、この記事のポイントです。
記事では、すべての到達パターンを列挙して計算しています。
その結果は、
となっています。
つまり、
初手フライの方が、高額地を踏む確率が約2.04ポイント低い
という結果です。
したがって、
「7歩先の高額地を避けたい」
という目的なら、
初手でフライを使う方が有利
という結論になります。
記事本文でも、最終的に「使用すべき」と結論づけています。
ここが今回の再検証のポイントです。
記事では、机上計算だけでなく、プログラムによる100万回の検証も行っています。
結果は、
となっています。
机上計算の17.55%と19.59%にかなり近い値です。
したがって、記事内では、
①組み合わせによる計算
↓
②プログラムによる100万回の検証
という二段階の確認が行われています。
これは2012年の記事としては、かなり丁寧な検証だと思います。
そこで今回、同じ問題を改めてモンテカルロ法で検証してみました。
それぞれ500万回ずつランダムに試行します。
結果は、
となりました。
理論値は、
なので、モンテカルロ法の結果も理論値に非常に近くなっています。
つまり、
2012年の記事の計算
記事内の100万回シミュレーション
今回の500万回モンテカルロシミュレーション
の3つが、ほぼ同じ結果を示しました。
この問題の面白いところはここです。
一見すると、
「まず通常ダイスを振って、危険な距離を調整してからフライを使った方が良い」
ように思えます。
例えば通常ダイスで6が出れば、残り1歩です。
その後フライを使えば、2以上が出るので高額地を通過できます。
したがって、
「通常ダイスを先に振った方が絶対安全じゃないか?」
と考えてしまいます。
しかし、通常ダイスで6が出る確率は14.29%。
その一方で、通常ダイスで1~5が出た場合にも、それぞれ高額地を踏む経路が存在します。
それらを全部足し合わせると、
素ダイス → フライ:19.59%
になってしまいます。
つまり、
「危険な6を引いた場合にフライで回避できる」
という一つのケースだけを見ると錯覚してしまうわけです。
この記事を客観的に評価すると、かなり高く評価できると思います。
① 問題設定が明確
「最大ダイス7」「7歩先に高額地」という条件が明確です。
② 直感だけで結論を出していない
最初は「フライの方が踏む確率が低そう」と考えていますが、その後、
「全てのパターンをきちんと計算する必要があります」
として検証に進んでいます。
③ 全経路を考慮している
単純に「7が出る確率」だけではなく、途中で複数回ダイスを振って最終的に7に到達するパターンまで考慮しています。
④ 独立したプログラム検証を行っている
100万回の試行によって机上計算を検証しています。
⑤ 結論を断定しすぎていない
最後に、
「計算間違い等あるかもしれませんので、どなたか再検証して頂けると助かります。」
と書いています。
この姿勢も、確率検証の記事としては好感が持てます。
もちろん、現在の数学的な観点から見ると改善点もあります。
最大のポイントは、
「なぜ17.55%になるのか」を、もっと一般化して説明できる
ということです。
記事では各パターンを大量に列挙しています。
これは検証としては正しいのですが、数学的には少し力技です。
例えば、
「残り距離がn歩の場合に、最終的にn歩にピッタリ到達する確率」
という関数を定義すれば、再帰的に計算できます。
そうすると、
「なぜこの結果になるのか」
をより一般的な形で説明できます。
また、現在ならPythonなどを使えば、最大ダイスが6、7、8、10……の場合についても簡単に一括計算できます。
この記事の結論は、
「7歩先に高額地があるなら、いつでもフライを使うべき」
という意味ではありません。
正確には、
「最大ダイス7で、7歩先に高額地があり、その高額地を避けたい」という特定の状況では、初手フライの方が高額地を踏む確率が低い
という結論です。
実際、記事の後には、
「最大ダイス7の時、1歩および8歩先に高額地がある場合」
という続編も書かれています。
つまり、この問題は「フライは常に使うべきか」という単純な話ではなく、
現在地から何歩先に何個の高額地が存在するか
によって最適な選択が変わる、というゲーム理論的な問題につながっていきます。
今回、2012年の記事を改めて検証してみましたが、
結論として、この検証記事はかなり信頼できる内容だと評価できます。
特に評価したいのは、
「なんとなくフライの方が良さそう」
で終わらず、
直感 → 全パターンの計算 → 100万回のプログラム検証
という流れで検証していることです。
さらに今回、2026年に改めて500万回のモンテカルロシミュレーションを行った結果も、記事の計算を支持しました。
したがって、
「最大ダイス7で7歩先に高額地がある場合、高額地を避けたいなら初手フライを使うべき」
というこの記事の結論は、現在の視点から見ても妥当です。
むしろ面白いのは、この記事が示しているのが単なる「フライの小ネタ」ではなく、
「カルドセプトでは、ダイスの期待値だけではなく、“目的地までの距離に対する到達確率”を考えなければならない」
ということです。
これはカルドセプトのダイス戦略を考える上で、非常に重要な考え方だと思います。
なお、元記事自体も「どなたか再検証してほしい」と書いています。今回の検証は、まさにその宿題に対する14年越しの再検証として位置づけられます。
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