カルドセプトビギンズレビュー(面倒くさいバージョン)
コメントなどを読み込んでいます。
コメントなどを読み込んでいます。
3カ月半くらい遊んでのレビューです。カルドセプトを知らない人向けの紹介記事やレビューはnoteの方に書きました。こちらはカルドセプト部に巣食う熟練のセプター向けに書きます。遊び込んでいる皆さんにとっては「今更」と思うことも多いでしょうが記録も兼ねて。ほとんど書き殴りですがご容赦を。
外部リンク : note(ノート)『カルドセプト ビギンズ』 発売3カ月後レビュー|hsu10年ぶりのシリーズ最新作はゲームバランスが極めてよく、初めて遊ぶカードゲーム・ボードゲームファンにも自信を持って薦められる傑作。ただ遊びやすさやUIには課題も...
外部リンク : note(ノート)ゲーマーを自認するあなたにカルドセプトビギンズは「刺さる」のか|hsuシリーズおよそ10年ぶりとなる新作「カルドセプト ビギンズ」が7月16日に発売となります。前作「カルドセプト リボルト」から長い歳月が経過しているため、ゲームの...
セカンドという極上の素材をうまく料理して、一つの完成形とも言えるバランスに仕上げたのは見事だと思いました。
比較的短いラウンド数にもかかわらず駆け引きや攻防がしっかりとあり短時間でしっかり遊んだ感が楽しめます。ブックや戦術のバリエーションも(死んでしまったものも多いけれど)それなりに確保されており、マップごとに違うプレイ感やメタ循環があり、考える楽しみがしっかりとあるのがいいですね。
ゲーム体験をギュッと凝縮するために、周回ボーナスを大幅に増やすとともに連鎖倍率を大きくしたのは狙い通りに機能したと思います。クリーチャーがかち合わずアッサリと試合が終わるようになってしまうのではと危惧していましたが、連鎖倍率が大きくなったことにより、レベル1領地での攻防が形勢を大きく左右するようになったので、これまでより戦闘が頻繁に起きるようになりました。
ブックのカード枚数を50枚から40枚に減らしたのも良かったと思います。ブックを組むのにかかる手間が減りましたが物足りなさは全く感じませんでした。ブックに入れた40枚のカードを1画面表示するのもわかりやすくて新鮮でした。
カードのバランス調整も素晴らしいと思います。相変わらず使われないカードは多いのですが「これを積めば/握っていれば安心」という絶対的なカードがなく、メタを見ながらブック構成を考える楽しみがあります。
なんといってもスケアストームが「発明」ですね。この1枚がカードプールにあることによって、AT40以上のクリーチャーを一定割合入れないブックは大きなリスクを背負うことになりました。場全体の平均ATが引き上がり、戦闘が起きやすいスリリングな環境を生み出すことに貢献しています。
最初に見たときは「やりすぎでは?」と思いましたが、これくらいじゃないと環境には影響しないのでしょうね。過去作を思い返せばスカルプチャーもプレイグも大丈夫でしたし、スケアストームも全然大丈夫でした。
アビサルモナークとコローシブスピアもスリリングな環境を生み出す要因となっています。これまでは高額領地にある程度質がいいクリーチャーを置いて、ある程度質がいいアイテムを握っておけばだいたい守りきれたのですが、ビギンズでは状況を見て慎重に拠点を作らないと簡単に落とされます。
過去作では道具が強すぎました。ホーリーグレイルやネクロスカラベ、ウォーロックディスクなどが絶対的な防御力を持っているにもかかわらず、アイテム制限があるクリーチャーは一握り。ですがビギンズではモナークもスピアも道具を破壊するので、道具に防衛を頼る構築は明確に脆くなっています。また防具でモナークを受ける場合はHPを伸ばす必要があるので、カウンターシールドや属性盾以外の防具にも光が当たるようになりました。
モナークもスピアも捌ける援護クリーチャーがやや強くなりすぎたきらいもありますが、スケアストームやデスミアズマという弱点を抱えノーリスクではありません。走りブックを組むときも勇気が必要になっています。
戦闘関連のカードに比べると増収や護符に関連するカードはやや調整不足な印象です。ゴールドトーテムの領地能力で得られる額が発表当初の200Gから400Gに上方修正されたことにもみられるように、新ルールで求められる金額の相場は手探りだったでしょう。
増収スペルが強すぎてクリーチャーの攻防が無くなってしまうのは本末転倒なので、慎重になるのは致し方ないところかと思います。ただ戦略の幅は確実に狭めてしまっているので、次回作ではもう少し使いでのある強さになることを期待します(今作のインシネレートは流石に泣ける)。
対人戦周りの機能には大いに不満がありますね。
対戦人口を増やすにはフリー対戦が快適にできるような環境が必要だと思います。DS~リボルトで開催されていたような「ランキング」や「フリー対戦」はぜひ欲しいところです。コミュニティで対戦相手を探すのってやっぱり面倒なんですよ。特に3~4人で遊ぶことが多いカルドセプトならなおさらです。ソフトに用意されているメニューからボタンを押すだけで、遊びたい条件で対戦相手が見つかるというのは本当にありがたい。
いまの「クイックマッチ」や「対戦ルームを検索」して遊ぶフリー対戦だと、卓主が設定しているマップと自分が遊びたいマップが一致しない、ということがよく起きます。そのマップに合わせてブックを組み直すと時間がかかるし、さりとて手持ちのブックで行くと不利だし、とかモヤモヤするんですよね。とてもよくない。
あらかじめ公式が「この期間のランキングはこのマップですよ」と宣言しておけば、みんなその期間はそのマップを中心に遊びます。期間ごとにお題のマップが変われば目先が変わるので、長く遊ぶ人が増えることも期待できる、はずです。いまはコミュニティで遊んでいる古参のセプターの話を聞いていても、対人戦を始めたきっかけは公式のランキングだった、という人は結構な数でいます。ビギンズもそうした入口があるといいのですが。
あと細かいところでいうと、カードのレアリティ制限、特に「Eカード禁止」だけは今からでも追加してほしいです。「制限をかけたいときはユーザー側で縛ればいい」というのは正論ではあるんですが、うっかり制限カード入りのブックを使ってしまったセプターがいた大会での裁定が、なんとも気まずそうなんですよね。ソフト側で条件に合わないブックは持ち込めないようになっていると、これまで以上に特殊ルールでの対戦が増えますし、楽しみ方が増えるとゲームの寿命も伸びると思います。
個人的にはとても面白いと思ったし、界隈の内外で評判は良かったと思うけれど、じゃあファン層がメチャクチャ広がったか、対戦がものすごく盛り上がっているかというと、全くそういうことはなくて、やっぱりキビシイですねという感想もこれあり。
あらためて遊んでみて思ったのは、カルドセプトはやはり「ボードゲーム」なんだということ。オンラインで無言でやるよりは、通話しながら、できれば対面でやるのが楽しい。一緒にゲームを楽しむという共通の目的を持って卓を囲んでいるなら、多少の理不尽は笑い飛ばすことができる。
でも、なかなかそこまでたどり着くのは難しくて。するとストーリーモードなりチャレンジなり1人で遊べるモードを充実させるというのが一般的には正しいのかな、とも思うのですよね。実際、ビギンズを購入した人のほとんどは、ストーリーをクリアして、対人を何戦かして、次のゲームに行ったという感じじゃないんだろうか。フロムソフトウェアの宮崎社長はオンラインで対人戦は遊んだのかな?
次回作、ぜひ作ってほしいです。ゲームとしてのビギンズは完成でいいと思う。追加カードも蛇足でしょう(もし拡張を出すのなら、今のバランスでも遊べるよう「拡張なし」ルールも選べるようにしてほしい)。
正真正銘の「サード」、待ってます。
まだコメントはありません。